チック症とはどのようなもの?原因や対応の仕方について
本人の意識とは関係なく体が動いたり、言葉を発したりしてしまう「チック症」。子どもがチック症でどのように対応すればいいかわからない、と不安に思っているという方も多いかもしれません。
そもそもチック症とはどのようなものなのでしょうか。今回はチック症の概要や、原因や予防法などについてご紹介します。
チック症とは
まずはチック症がどのようなものか確認しておきましょう。
チック症とは、無意識的にやってしまう癖のような言動を繰り返し行ってしまうというものです。運動チックと音声チックの2種類があります。
運動チックは意味もなく口を開閉したり、頭を振ったり、瞬きを繰り返したりなど、体を動かすタイプのチック症です。腕をピクンと動かしたり、足をパタパタ動かしたりなど、運動チックで見られる癖にはさまざまなものがあります。
音声チックは、突然意味のない言葉を発したり、言ってはいけないことを言ってしまったりする、音を出すタイプのチック症です。鼻をくんくん鳴らしたりするのも、音声チックの一種だとされています。
子どもの10人にひとりは、何かしらチックのようなものを持っているとされており、特に6歳前後の子どもに多い傾向です。チック症はだいたいの場合、成長とともに緩和するものです。日常生活に支障をきたさない程度の癖だったら、それほど慌てて改善する必要はないと言えるでしょう。
チックの原因は生まれつきのことが多い
子どもがチック症になると、自分の育て方が悪かったのかな、と思い悩んでしまう方も多いかもしれません。しかしチック症は生物学的因子が原因であるとされています。簡単にいうと、「生まれつきチック症になりやすい性質を脳が持っている」ということです。 つまり、チック症は育て方や生活環境が原因で発症するものではないということ。外的な要因でチック症が始まることがあるかもしれませんが、それは単なるきっかけに過ぎず、根本的な原因ではないと考えられています。
チック症だからといって不安に思うことはない
チック症は多くの子どもに現れるものです。チック症の多くは一過性のもので、成長するにつれて改善されます。場合によっては日常生活に支障をきたすような癖を持ってしまうこともあり、そのようなケースでは専門医に相談し、薬を処方してもらうなどの対応をしたほうがいいこともありますが、基本的には特別な対応をしなくてはいけないということはありません。
強いてあげるなら、チックについてその都度子どもを叱るようなことはしないほうがいいということでしょう。チック症に気が付くと、癖ばかりに目が行ってついついイライラして叱ってしまうこともあるかもしれませんが、癖というのは誰でもひとつや二つ持っているものです。人に迷惑をかけたりなど、叱らなければいけない場面もありますが、叱りすぎると子どものほうも気にしてしまい、自分に自信を持てなくなってしまうことがあります。
癖を持っていても大丈夫、と子ども自身が思えるように、その子の全体を見ながら接してあげるようしましょう。
チック症は日常生活に支障をきたさない限り、過度に不安に思って治療しようと考える必要がないものです。子どもがチック症を持っているというな場合でも、それもその子の個性のひとつだと考え、できるだけ気にせず接してあげるようにしましょう。