発達障がいを持つ子どもの家庭学習のポイント
発達障がいを持っている子どもにとって学校の授業についていくのが難しいものです。
学校の授業についていけなくなることは子どもたちにとって大きなストレスで、ともすれば大きな自信喪失につながってしまうことがあるものです。そのような事態は避けたいと考えるのが親心だと思います。 学校での勉強の遅れを家庭学習で補ってあげたいと考える親御さんも多いでしょう。そこ今回は、発達障がいの子どもと家庭学習をする際に押さえておきたいポイントについてご紹介します。
発達障がいの種類
発達障がいの種類によって家庭学習のポイントは異なるものです。まずは発達障がいの種類を把握しておきましょう。
自閉症スペクトラム障害(ASD)
自閉症スペクトラム障害は、他者のことに無関心で他社と交流することが難しい症状が特徴の発達障がいです。言葉の裏を読む(行間を読む)ことが苦手、変化を嫌うなどが自閉症スペクトラム障害のよくあるケースです。
注意欠如、多動症(ADHD)
ADHDは、年齢にふさわしくない注意力、衝動性、多動性が特徴の発達障がいです。忘れ物やケアレスミスが多い、授業中に座って話を聞いていられないなどがADHDのよくあるケースです。
学習障害(LD) 読む、書く、計算するなどの、勉強に必要な能力に遅れが出る発達障がいのひとつです。読字障がい、書字障がい、算数障がいの3種類に分かれます。
自閉症スペクトラム障害の家庭学習のポイント
自閉症スペクトラムの子どもは、こだわりが強かったり、自分の思っていた通りにことが運ばないとパニックになったりすることがあります。また、聴覚より視覚のほうが発達度合いが高いケースが多く言葉で教えるよりも、写真や図、文字などで教えたほうが理解しやすいということが多いです。
ポイントとしては、勉強の予定表を作り、本人にどんな勉強をするのか事前にわからせるようにしましょう。また、家庭学習の内容については、その日の復習というよりも、翌日の授業の予習をメインにすることをおすすめします。知らないこと、予期していないことを教えられると混乱してしまう傾向があるからです。学習の際は言葉だけではなく、図や文字などを使って教えてあげるようにすることも意識しましょう。
ADHDの家庭学習のポイント
ADHDは興味のないことについて集中するのが苦手という特徴があります。勉強を教える際は、子どもが好きなものと結びつけて教えてあげるのがポイントです。算数の文章問題なら好きなアニメキャラクターを登場させるなどするとよいでしょう。 また、学習時間はできるだけ短くすることを心がけ、集中力が切れてきたと感じたら、適度に気分転換をさせてあげるのが大切です。長時間考えないと解けない問題を根気強く解答させるのではなく、短時間で解答できる問題をいくつも解かせて理解度を高めてあげる方法が適しています。
学習障害の家庭学習のポイント
学習障害には、読字障がい、書字障がい、算数障がいの3種類があります。
読字障がい、書字障がいは文字を読み書きするのが苦手です。本人の目からは、文字が裏返しだったり、二重に見えたりしています。学習をする際は文字がしっかりと見えるよう、拡大鏡を使って教えてあげたり、文字を書かなくても済むよう、タイピングや音声入力などを使ってみるといいかもしれません。また、漢字などを教える際は、へんと作りについて個別に教えるなど、漢字の成り立ちから理解させてあげるといいでしょう。 算数障がいの場合は、数の概念を感覚的に理解させてあげるために算数ブロックを使ったり、マス目のあるノートを使い、1の位、10の位などが筆算をするときにごっちゃにならないよう気を付けたりするようにしてあげましょう。算数学習アプリを使うなども、楽しみながら学習できるのでおすすめですよ。
発達障がいの子どもにとって学校での勉強に追いつけないというのは大きなストレスになるものです。家庭学習でその遅れを取り戻させてあげましょう。 自分たちで教えるのが難しいという場合は、放課後等デイサービスの利用をおすすめします。発達障がいの子どもたちが勉強ができるような体制が整えられていますので、安心して通わせることができますよ。