自閉症スペクトラムとはどのようなもの?特徴は?
発達障がいの一種に「自閉症スペクトラム」というものがあります。主に対人関係に困難さを見せるのが特徴で、成長するに従い、その特性は変化してきます。
自閉症スペクトラムとはどのようなものなのでしょうか。特徴などについてみていきましょう。
自閉症スペクトラムとは
自閉症スペクトラムとは、ASD(Autism Spectrum Disorder)とも呼ばれ、対人関係が得意ではない、強いこだわりを持つなどといった特徴を持つ発達障がいの一種です。早ければ1歳半健診で自閉症スペクトラムの可能性を見つけることができます。男性に多いとされており、発症率は女性の2~4倍です。
自閉症スペクトラムは生まれつき
自閉症スペクトラムの原因は明らかになっていませんが、先天的(生まれつき)の脳機能異常であると考えられています。育て方を間違えたのか……、と悩んでしまう親御さんもいるかもしれませんが、育て方と自閉症スペクトラムに因果関係はありません。
自閉症スペクトラムの子どもの特徴
では、自閉症スペクトラムの子どもに、具体的にどのような特徴がみられるのかを見ていきましょう。
・視線を合わせない
視線を合わせない、視線が合わないことも自閉症スペクトラムの子どもの特徴です。視線が合っても共感的ではないといった特徴もあります。
・表情がない
感情を顔に出さず、また出したとしても不自然であるという特徴があります。
・名前に反応しない
名前を呼んでも振り返らないなどの特徴があるとされています。
・人見知りしない
人見知りせず誰に臆しませんが、親の後追いをしないなどというのも、自閉症スペクトラムの子どもの特徴です。
・ひとりごとが多い
ひとりで何か言っていたり、こちらが言ったことをオウム返ししたりなどの特徴がみられます。
・指さしたほうを見ない
「あっちを見て」と言いながら指さしても、そちらを見ようとしない傾向があります。
・接触を嫌う
抱っこしたり触られたりするのを嫌がります。
・ひとりで遊ぶのを好む
友達とごっこ遊びをしたりせず、ひとり遊びをする傾向があります。
・好き嫌いが激しい
食べ物などの好き嫌いが激しい(こだわりが強い)傾向があります。
など
ここで紹介したのはあくまで特徴の例です。これ以外にも自閉症スペクトラムであることを示す特徴はありますし、また、これらの特徴を持っていても自閉症スペクトラムではないこともあります(正確な診断は専門医や心理士の意見を聞くようにしましょう)。
自閉症スペクトラムは発達障がいの一種ですが、病気というよりも、その子どもが生まれ持ったひとつの特性であると考えるようにしましょう。「治さないと」と思うのではなく、「活かそう」と考えることで、自閉症スペクトラムの子どもものびのびと生活できますし、親御さんのストレスも軽減するでしょう。
生活に支障をきたす場合には療育によって症状を緩和することもできます。専門家と相談しながら、親子ともにストレスのないように生活できるようにしましょう。